12月7日〜8日の一泊二日に渡って、徳島教区災害救援ひのきしん隊(以下災救隊)は美馬支部で教区訓練を行いました。
災救隊は、災害が発生した際に現地の状況に応じて駆けつけられるためのもので、徳島教区の災救隊も有事に備えて、定期的に県内各地で訓練を行っています。(災救隊について、詳しくはこちら。)
美拝分教会を宿営地に結隊

今回は美馬支部が会場だということで、美拝分教会がその宿営地となりました。
7日、お昼ごろよりぞくぞくと隊員が集合。12時30分より一階大広間にて結隊式が行われました。
結隊式には、災救隊本部主事の佐々木先生や、美馬市から企画総務部長はじめ担当者五名が参加されました。

現場作業報告
結隊式後、早速現場に向かいます。
今回の現場は、穴吹町三島小島の林道。三島町から山間を縫って穴吹町の古宮や、つるぎ町一宇方面へとつながり、その間には道路沿いに民家も点在する生活道路です。

道路は舗装されていますが、自動車の対向が困難な車幅の山間道路であり、また交通量も決して多くないので、なかなか整備の手が行き届きづらい道路。この生活道路の約2キロの区間に渡っての整備作業が今回の訓練内容でした。

この区間の道路は上のような状態で、道路の端には幅・深さともに30センチほどの側溝があるのですが、これが山の斜面から落ちてくる土と葉で完全に埋まってしまっていました。この側溝の土と葉っぱをかき出して反対側の斜面に捨てていきます。
パッと見では簡単なように見えましたが、側溝に詰まっているそのほとんどが土で、スコップが刺さらないくらい固まっていました。その上ほとんどの場所で植物の根が張り巡ってしまっている状態。

まずじょれんやツルハシを使って根っこを切り、土を耕しながら掘り返し、残った土をスコップでかき出す。そして側溝脇に挙げられた土や葉を反対斜面に落とす、という役割を分担して作業にあたりました。

数日前から急に冷え込みが厳しくなって来て、また現場は日の当たらない場所でしたので、防寒着は必須な気温でしたが、重労働ゆえ、作業にあたりはじめてものの数分で皆が服を一枚、また一枚と脱ぎはじめ、気づけばほとんどの隊員がアンダーシャツと半袖ユニフォームで作業を行っていました。
炊き出し訓練の様子
また被災地活動において、現場作業以上に重要な活動となってくるのが炊き出しです。

災救隊訓練は現場作業だけでなく、炊き出し訓練も行います。こちらは主に婦人会の方々が主となって、電気などを使わずに大勢の人数にあたたかい食事を配給できるよう、現場作業を行う隊員たちの食事を作ってもらいました。

二日目、さらなる冷え込み
二日目は、今季初の周囲の山々が雪化粧となるほど冷え込みがきつくなりました。ここで初日の夕方に到着した富松災救隊本部長も合流し作業を再開しました。
初日に想像以上に作業内容がハードだということがわかり、このままでは市から依頼された区間の整備が終わらないということで、急遽重機をレンタルし、免許を持つ経験のある隊員さんが操縦して人力と共に作業にあたりました。


隊員のそれぞれの活躍によって、二日目には無事依頼された区間の作業を終えることができました。
解隊式に美馬市長も参加
作業を終えた後、現場付近の集会所駐車場において解隊式が執り行われました。解隊式には、加美 一成(かみ かずしげ)美馬市長が参加され、今回の訓練に御礼の言葉が述べられました。

災救隊の出動はないに越したことはないのですが、南海トラフ大地震がいつ起こってもおかしくないと言われる昨今において、有事に備えた訓練の重要性を改めて感じる機会となりました。私もできる限り訓練に参加したいと思います。
また、こうしてそれぞれの支部で訓練を行うことで、それぞれの地域の現場担当される方々に災救隊の存在を認知していただくことは、いざという時に協力体制がとりやすいのではないかと思います。こうした意味でも今回美馬支部を会場に、美拝を拠点として使っていただいたことに多いに感謝します。

齋藤浩隊長はじめスタッフの方々、またご参加いただいた隊員の皆様、ありがとうざいました!
また、美馬市で訓練していただける日を待っています。
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